薬害の歴史(2)HIV訴訟とCJD訴訟

HIV混入の血液凝固因子製剤によるHIV訴訟、ヒト乾燥硬膜によるCJD訴訟という生物由来製剤の薬害を解説します。

薬害はサリドマイドやスモンだけではありません。生物由来の製剤による感染被害——HIV訴訟とCJD訴訟についても学びましょう。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

薬で感染症になっちゃうこともあるの?

橘 美咲 先生(しょんぼり) 橘 美咲 先生

あるのよ。
その代表がHIV訴訟。
血友病の患者さんが、HIVが混入した血液凝固因子製剤の投与を受けて、HIVに感染してしまった事件なの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

血液凝固因子製剤は、当時、加熱によるウイルス不活化処理がされていない非加熱製剤でした。
これが原因でHIV感染が広がりました。

星野 ひな(しょんぼり) 星野 ひな

治療のための薬で、別の病気に…つらすぎますねぇ。

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

本当にね。
この訴訟は和解に至り、国と製薬企業が責任を認めたの。
これを機に、生物由来製品の安全対策が強化されたのよ。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

もう1つのCJDって?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

CJD訴訟ね。
脳外科手術などで使われた『ヒト乾燥硬膜』の移植が原因で、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患した事件よ。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

CJDは、細菌でもウイルスでもない『プリオン』というタンパク質が原因です。
硬膜の原料にプリオンが混入していたことで、脳の機能が侵される難病を発症しました。

星野 ひな(びっくり) 星野 ひな

プリオン…ウイルスとも違うんですねぇ。

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

そうなの。
この2つの訴訟を受けて、生物由来製品による感染等の被害を救済する制度も創設されたの。
薬害は、その都度、制度を前進させてきたのよ。

高梨 ひまり(笑い) 高梨 ひまり

HIVは血液の製剤、CJDは硬膜の移植——原因をセットで覚えとこ!

確認クイズ

生物由来製剤による薬害に関する記述として正しいものはどれか。

  1. HIV訴訟は、加熱処理された血液製剤が原因で起こった
  2. CJD訴訟の原因は、ウイルスに汚染された血液製剤である
  3. CJD訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植によりプリオンが原因で発症した
  4. HIV訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植が原因である
こたえを見る

正解: 3. CJD訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植によりプリオンが原因で発症した

CJD訴訟はヒト乾燥硬膜の移植でプリオンが原因が正解。HIV訴訟は非加熱の血液凝固因子製剤が原因で(選択肢1)、CJDの原因はウイルスでなくプリオン(選択肢2)、HIV訴訟は血液製剤が原因で硬膜移植ではない(選択肢4)。

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