薬害はサリドマイドやスモンだけではありません。生物由来の製剤による感染被害——HIV訴訟とCJD訴訟についても学びましょう。
薬で感染症になっちゃうこともあるの?
あるのよ。
その代表がHIV訴訟。
血友病の患者さんが、HIVが混入した血液凝固因子製剤の投与を受けて、HIVに感染してしまった事件なの。
血液凝固因子製剤は、当時、加熱によるウイルス不活化処理がされていない非加熱製剤でした。
これが原因でHIV感染が広がりました。
治療のための薬で、別の病気に…つらすぎますねぇ。
本当にね。
この訴訟は和解に至り、国と製薬企業が責任を認めたの。
これを機に、生物由来製品の安全対策が強化されたのよ。
もう1つのCJDって?
CJD訴訟ね。
脳外科手術などで使われた『ヒト乾燥硬膜』の移植が原因で、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患した事件よ。
CJDは、細菌でもウイルスでもない『プリオン』というタンパク質が原因です。
硬膜の原料にプリオンが混入していたことで、脳の機能が侵される難病を発症しました。
プリオン…ウイルスとも違うんですねぇ。
そうなの。
この2つの訴訟を受けて、生物由来製品による感染等の被害を救済する制度も創設されたの。
薬害は、その都度、制度を前進させてきたのよ。
HIVは血液の製剤、CJDは硬膜の移植——原因をセットで覚えとこ!
確認クイズ
生物由来製剤による薬害に関する記述として正しいものはどれか。
- HIV訴訟は、加熱処理された血液製剤が原因で起こった
- CJD訴訟の原因は、ウイルスに汚染された血液製剤である
- CJD訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植によりプリオンが原因で発症した
- HIV訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植が原因である
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正解: 3. CJD訴訟は、ヒト乾燥硬膜の移植によりプリオンが原因で発症した
CJD訴訟はヒト乾燥硬膜の移植でプリオンが原因が正解。HIV訴訟は非加熱の血液凝固因子製剤が原因で(選択肢1)、CJDの原因はウイルスでなくプリオン(選択肢2)、HIV訴訟は血液製剤が原因で硬膜移植ではない(選択肢4)。