皮膚に用いる薬(1)殺菌消毒薬

アクリノール・ヨウ素系・エタノール・オキシドールといった傷に用いる消毒薬の適応と刺激、使用上の注意を解説します。

すり傷や切り傷に使う消毒薬。実は種類によって、効く相手も刺激の強さも違います。ここでは傷に用いる殺菌消毒薬を学びましょう。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

先生、傷にぬる消毒薬にも、いろいろ種類があるんですかぁ?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

あるのよ。
傷口に用いる殺菌消毒成分は、それぞれ効く微生物の範囲や刺激の強さがちがうの。
代表的なものを見ていきましょう。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

アクリノールは、比較的刺激が少なく、一般細菌の一部に効果があります。
黄色い色をしていて、化膿した傷などに用いられます。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

ヨウ素のやつもよく見るよね。
あれは強いの?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

ヨウ素系(ポビドンヨードなど)は、細菌・真菌・ウイルスと幅広く効くのが特徴よ。
ただし、ヨウ素に対するアレルギーの人は使えないの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

ヨウ素系は、石けん(界面活性剤)と一緒に使うと殺菌力が低下します。
石けん分をよく洗い流してから使うのがポイントです。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

消毒用のエタノールもありますよねぇ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

ええ。
エタノール(消毒用アルコール)は、手指や器具の消毒にも使われるわ。
ただし、脱脂作用があって皮膚への刺激が強いから、傷口には強くしみるの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

オキシドール(過酸化水素水)は、患部で分解して酸素の泡を出し、その作用で殺菌します。
刺激性があるため、目の周りなど粘膜への使用は避けます。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

全部いっぺんに使えばもっと効きそうだけど?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

いいえ、それはだめ。
成分どうしを混ぜると効果が弱まったり刺激が強まったりするの。
目的に合ったものを1つ選んで使うのが基本よ。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

深い傷や化膿がひどいときは、消毒だけで大丈夫なんですかぁ?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

そういうときは受診を勧めるの。
消毒薬はあくまで軽い傷への手当て。
範囲が広い・治りが悪い場合は医療機関へ、ね。

確認クイズ

傷に用いる殺菌消毒薬に関する記述として正しいものはどれか。

  1. アクリノールは、細菌・真菌・ウイルスのすべてに強い殺菌力を示す
  2. ヨウ素系の消毒薬は、石けん(界面活性剤)と併用すると殺菌力が低下する
  3. 消毒用エタノールは刺激が弱く、傷口にしみることはない
  4. オキシドールは、粘膜や目の周りにも安心して使用できる
こたえを見る

正解: 2. ヨウ素系の消毒薬は、石けん(界面活性剤)と併用すると殺菌力が低下する

ヨウ素系は石けんと併用すると殺菌力が低下するのが正解。細菌・真菌・ウイルスに広く効くのはヨウ素系でアクリノールは一般細菌の一部が中心(選択肢1)、エタノールは脱脂作用で刺激が強く傷口にしみ(選択肢3)、オキシドールは刺激性があり粘膜への使用は避ける(選択肢4)。

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。